マニフェスト大賞2021【エリア選抜に選ばれました!】

神谷修平が学生インターンたちと共に実施した調査活動が、第16回マニフェスト大賞エリア選抜(優秀賞候補)に選ばれました!
応募総数 2,730件の中から選ばれた、165件の取り組みの中に入りました。
このページでは、その取り組みの内容についてお伝え致します。

マニフェスト大賞とは?

マニフェスト大賞は、地方自治体の議会・首長等や地域主権を支える市民等の、優れた活動を募集し、表彰するものです。
これにより、地方創生を推進する方々に栄誉を与え、さらなる意欲向上を期するとともに、優れた取り組みが広く知られ互いに競うようにまちづくりを進める「善政競争」の輪を拡げるために設けられました。

<マニフェスト大賞のホームページ>
http://www.local-manifesto.jp/manifestoaward/

 

<タイトル>
京都市・公園トイレ清掃の実態~現地調査と入札制度からの分析・改善~

<取り組み要旨>
京都市の公共公園内に設置されているトイレの維持管理の改善について取り組みました。
公園内のトイレが清潔に保たれていない現状を受け、調査を進める中で、清掃業者の選定段階での入札条件や、清掃のルールなどに改善の必要性を感じました。
入札の参加資格のハードルが高いことで競争性が生まれず、清掃現場の維持管理における低下が生じる原因となっていることを感じ、様々な業者が新規参入しやすいような環境を整備したという取り組みです。

 

<取組内容>

市民の皆さまから「公園のトイレが汚い」というお声を受けたことをきっかけに、調査を開始しました。
まず、行政区内に17カ所ある公園のトイレすべてに対して、学生ボランティアのメンバーにも協力してもらい、現地調査を実施し、維持管理状態を確認し独自に評価しました。

その結果、定められた清掃回数や頻度は守られているものの、清潔に保たれているとは言い難い現場も散見されました。

 

 

京都市においては、市内の公園トイレ274か所の清掃に対して年間約7,500万円の予算が充てられており、単純計算して1か所のトイレ清掃に1回あたり1,600~1,700円のコストが費やされています。
現地調査の結果を鑑みると、費用対効果が妥当であるとは言い難いと感じました。

 

また、現地調査を行う際に、公園に利用者がいた場合は積極的にアンケート調査を実施し、利用状況の把握や公園トイレに関する意見などを採取しました。
併せてインターネットやSNSも活用し、オンライン上でのアンケートも実施しました。

 

 

その結果「汚いので利用したくない」、「防犯面が心配」、「子どもには利用させたくない」等の声が聞かれる一方で「たまに利用することがあるので、無くなるのは困る」という意見もありました。
インターネットを利用したアンケート調査は、不特定多数に向けて呼びかけたものであったものの、結果的には京都市民からの回答が大半を占めており、大変有意義な結果が得られたと感じています。
記述式の回答に対しても、手間を惜しまず真摯に意見を寄せて下さる方が多くみられ、実に多種多様なご意見を採取することができました。
これは今回の調査活動において非常に有益な収穫であったと感じています。

 

また、公園トイレの設置箇所や清掃回数・頻度の自体が適正に設定されているのかということも検証するため、政令市12都市の公園トイレ清掃状況の資料も集めました。

 

 

他都市ではトイレの利用者数などの客観的データに基づいて清掃頻度等のルールを設定していたのに対し、京都市においては、利用状況などのデータは採取せずに一律の清掃ルールで実施されており、利用実態に見合った清掃条件が設定されていないことが判明しました。

 

次に、清掃を委託している業者について調べました。
入札記録をさかのぼって調べてみると、入札に参加している業者が10年以上変わっていないという状況に気が付きました。
その理由のひとつとして、京都市の設けている入札参加資格が厳しいことが挙げられます。
それによって、業者の新規参入のハードルが高くなり、適正な競争が生まれない環境となっていると考えました。
この現状を受けて、入札への参加条件を緩和するなど本来の競争入札の原理が働くよう工夫をするように訴えたところ、担当区域を細分化するなど、入札条件の見直しが行われました。
これは大きな一歩だと感じています。これをきっかけに本来の競争入札の原理が働き、公園トイレの適切な維持管理につながると期待しています。