代表質問の内容
- 2022.10.12
- ブログ
先日の代表質問では、本市の今後の子育て支援を中心に質問いたしました。
地元の地蔵盆に顔を出させていただくと、
「昔はもっと子どもが多かったのに、今は町内に子どもがほとんどいない。」といった切実なお声をお聞きします。
それもそのはずで、本市の出生数は11070人だった平成27年度から毎年減少し続け、令和3年度の出生数は8767人と、2300人以上減少しているのです。さらに、本市の人口流出は、年齢別に見てみると、20代、30代のいわゆる若者・子育て世帯の転出者数が特に多い状況です。このまま出生数の減少、子育て世帯の流出が続けば、地域社会の活力の低下や税収減につながり、今後の都市の機能の維持や成長にとって極めてマイナスとなります。
出生数の減少や子育て世帯の流出は全国の多くの自治体でも重要な課題となっており、他都市では課題解決に向け、大きな動きを見せています。直近では京都市のお隣の亀岡市で、子育て支援拡充に向けての発表がありました。亀岡市は今年8月に「子どもファースト」という宣言をされました。具体的な支援策として、18歳までの医療費、第2子以降の保育料、保育施設でのおむつの提供・処理、京都市でいう児童館の2人目以降の無料化等を実施予定です。
今後の動きとして、府内の自治体が亀岡市に追随し、子育て支援の拡充を実施することも十分考えられ、そうなれば、今以上に本市から子育て世帯が流出し、人口減少や少子化にさらに拍車がかかることも予測されます。
さらに言えば、最近の京都市に住むことは、子育てにマイナスと感じるというお話を多く伺います。危機的な財政状況による将来への不安、行財政改革計画における保育料の値上げの検討、その改革のトップバッターに「学童クラブ事業の料金の見直し」を決定したことによる「京都市は子育てサービスから値上げをする」「子育て世帯にやさしくない」というようなイメージを与えてしまったからであります。
子育て政策は、そもそも自治体の財政力格差に左右されるべきではなく、本来であれば国が制度設計すべきだという考えも分かります。しかし、京都市の危機的な現状を鑑みれば、実効性のある対策に早期に取り組まなければ状況は悪化し続け、将来的に取り返しのつかない大きな損失となります。
他の自治体では、改革などを進め、何とか財源を確保し、国に頼らない独自の子育て支援拡充の動きが進んでおります。周辺自治体が子育て世帯に向けた施策を拡充する中、本市は具体的な子育て世帯への施策を打ち出せておらず、さらなる出生数の減少、子育て世帯の流出の可能性が高まっている危機的な状況なのです。
子育てに対するマイナスのイメージを払拭していくためにも、また先行自治体との差を少しでも埋めていくためにも、思い切った子育て支援の拡充が必要です。
具体的に本市に取り組んでいただきたいことを、子育て世帯の方々からお聞きしたご意見を踏まえ、提案しました。
主には2点です。
1つ目は、
昨年度から検討されており、現在は据え置きとなっていますが、保育料の値上げは今後もしないと明言すること。特にこの財政難の状況下であっても、メスを入れることで子育て世帯の流出、ひいては税収減に大きく響いてしまうため得策ではないと考えます。
2つ目は、
子ども医療費支給制度についてです。現在、本市では3歳までは1医療機関につき月に200円まで、3歳から中学生までは医療機関の数にかかわらず月に1500円までが保護者の負担となります。一方、府内の他の自治体では、独自に上乗せを行い、現在4つの自治体が無料化、19の自治体で中学生まで1医療機関につき月に200円となっています。先ほども申し上げましたが、京都市は子育て世帯の流出は危機的な状況であり、早急に支援の拡充が必要であることから、こども医療費支援の拡充を求めました。
今回ご提案した内容は、まだまだ一部ではございますが、実際に子育てをされている保護者の方々からいただいたご意見を踏まえ、質問いたしました。少子化対策や子育て世帯の定住には、子育て支援だけでなく、住宅政策など多くの施策に総合的に取り組むことが必要であることは十分承知しておりますが、現在の京都市の子育て支援は、正直申し上げて、子育て世帯の本当のニーズを捉えた支援が実行されているとは決して言えません。京都の未来のためにも、子育て世帯の方々のお声にしっかりと耳を傾け、「京都で子育てすることを選んでよかった」と多くの方が実感の持てる施策を行っていただくよう切にお願いいたしました。
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