【提言】ペットの避難問題【京都市の防災対策】

近年、大阪北部地震や日本各地での豪雨被害が続き、市民の皆様の防災意識が年々高まっているのを感じます。
私自身も阪神淡路大震災で被災し,避難所での生活も経験いたしました。その経験からも、防災対策については日頃から強く意識しております。

京都市の防災対策においては、まだまだ課題がたくさんありますが、その中でも、ペットを連れての避難について、お考えになられたことはありますか?
ペットと暮らしておられる方にとってはもちろんのこと、ペットを飼われていない方にとっても、実は皆さまに関係する大切なテーマです。

 

ペットを置いて避難できない…!

◆熊本地震で実際に発生

ペットを飼われている方々が、ペットを置いたまま家を離れられないことから、災害が起こった際に避難できないケースが発生していることをご存知でしょうか?
ペットを飼われておられる方にとって、ペットは大切な家族の一員です。
そのため、発災時に避難されない(ご自宅を離れることができない)方々が、実際に熊本地震の際におられました。

◆「人間の問題」として取組む必要性

京都市では現在約90箇所において避難所へのペットの受入体制のマニュアルが策定されています。
このペット避難問題は、必ずしも動物だけの問題と捉えず、飼い主が避難できないという人的課題だと捉えて取組むべきものであると思います。

また、ペットは飼い主にとってはとても大切な存在ですが、災害時の避難所においては、動物が苦手な人や動物に対してアレルギーを持っている人との共同生活を送ることになります。
ペットの鳴き声や毛の飛散、においなどへの配慮が必要となるため、事前にペット同伴避難のルールを決めておくことが重要になってきます。
飼い主が責任を持って避難所でペットを飼育するための居場所の確保や,ケージを用意するなど具体的な対応を事前に検討すべきです。

 

◆屋内避難所も要検討

また、現状ではペット避難所は屋外設置が基本となっています。
例えば室内犬などの室内で飼育されることが前提のペットにとっては、阪神淡路大震災のように真冬時の屋外避難は生死に関わる問題で、飼い主としては屋外避難などさせられるはずもありません。
その点についても,一歩進んだ屋内避難を検討しなければならないと考えています。

◆何より、日頃からの意識づけが大切

併せて平常時から,飼い主の方々への災害時の備えについての啓発,また,市町村へのペット同行避難に対する意識付けを定着させ,地域の避難訓練においては,ペット同行避難も含んで行うよう更に啓発していくべきであると、議会において強く訴えました。

 

<令和2年2月28日 代表質問にて提言>